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いま20代女性はなぜ40代男性に惹かれるのか

『いま20代女性はなぜ40代男性に惹かれるのか』の著者
電通総研スーパーバイザー
大屋洋子 主任研究員 インタビュー
8月に発刊された『いま20代女性はなぜ40代男性に惹かれるのか』(講談社)の著者である、電通総研の大屋洋子 主任研究員に、執筆に至った経緯や伝えたかった思いなどについて語ってもらいました。
Q:今回、なぜこうした恋愛をテーマにした本を執筆されたのですか?
電通には「ウェルネスプロジェクト」という健康市場を対象とした研究チームがあり、健康というフィルターを通して、“いまの消費者”について分析しています。ここ数年、どんなにカラダに良いことでも、ココロに良くないと消費者が行動しないという傾向が見られる中で、特に「ココロの健康」に注目して研究を進めています。

なかでも着目しているのが「ストレス」。これが、現代人の健康を相当蝕んでいることが調査からも明らかになっています。さらに分析を進めていくと、恋愛とストレスには密接な関係があることがわかってきました。健康やストレスの研究をしている私が、あえて「恋愛」をテーマに選んだのは、そうしたことが理由にあります。
Q:なぜ、20代の女性と40代の男性の恋愛に着目したのですか?
私たちは、毎年「ウェルネス1万人調査」という全国1万人を対象にした調査を実施して、クラスター分析を行っています。「健康」を軸に8つに分けられたグループのうち、特に注目したのが「ハイリスクハイケア層」でした。

このグループの人たちは、健康不安やストレスが最も強く、健康のための行動や消費も積極的だという特徴があります。そして、このグループの多くを占めていたのが20代の女性と、意外なことに40代の男性だったのです。

性・年齢別に見ると、いま最もストレスを抱えているのは、確かに男性では40代、女性では20代なのですが、この両者は「壁期」という、人生の選択を迫られるターニングポイントにいるという仮説が浮かび上がってきました。ほかにもいくつかの共通項があり、惹かれあう必然性のようなものが、研究を進めていくうちにわかってきたんです。
Q:この本では、特にどのような点に注力されましたか?
先ほどお話した「ウェルネス1万人調査」のデータ・分析をもとに、20~40代がこれまで生きてきた時代背景、世代による価値観や特徴、恋愛ギャップなどについて解説しながら、特に「ココロの問題」に光を当てることに挑戦しました。

いま、恋愛は実に多様化しています。世代により考え方や常識にギャップが生じているのは、まさに「いま」ならではの現象と思われます。現代人の抱える「ココロの問題」や、その先にある幸せの在りようについて検証しながら、「いまの時代」を読み解くことに最も力を注ぎました。
Q:最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。
若い世代ほど、「自分が幸せだと思えない」「生きづらい」と感じていることが、調査の結果からわかってきました。百年に一度の大不況と言われるいま、各方面で心の問題がフォーカスされる背景には、急激なIT環境の変化によるコミュニケーションの希薄化、人と人のつながりの脆弱さが大きく影響しているのではないかと思います。

人の幸せや心身の健康のすべてが恋愛によるものとは言いませんが、少なからず影響を受けているのは確かでしょう。この本を通して、現代人の抱えるココロの問題や、その先にある幸せの在りようなどについて、考えていただくきっかけになれば幸いです。